アノマリー(異常現象)一覧
株式市場におけるアノマリー(異常現象)は、理論的に説明しにくい価格変動やパターンを指します。
・月効果(January Effect):
1月には株価が上昇する傾向があるという現象です。特に小型株が顕著で、税金対策や年末の損失売却からの反発が原因とされています。
・ウィークデイ効果(Day of the Week Effect):
曜日によって株価の動きに規則性が見られる現象です。例えば、月曜日は株価が下がりやすく、金曜日は上がりやすいとされます。
・ハロウィン効果(Halloween Effect):
10月末から翌年5月までの期間に株式市場が良好なパフォーマンスを示すという現象です。「Sell in May and go away(5月に売って去れ)」という格言と関連しています。
・小型株効果(Small Firm Effect):
小型株は大型株に比べてリスクが高いにもかかわらず、長期的には高いリターンを示す傾向があります。
・P/Eアノマリー(Price-to-Earnings Anomaly):
低P/E株は高P/E株に比べて、リスク調整後のリターンが高い傾向があります。
・アノマリーカレンダー(Calendar Anomalies):
月初めや月末、四半期末、年末年始などの特定の時期に株価が上昇する傾向があります。
・反転効果(Reversal Effect):
短期的に高いリターンを上げた株は、その後の期間で低いリターンを示す傾向があり、その逆もまた同様です。これは過剰反応や過小反応の修正として説明されます。
・モメンタム効果(Momentum Effect):
短期間で上昇した株はさらに上昇する傾向があり、下落した株はさらに下落する傾向があります。これは投資家の行動や心理に起因すると考えられています。
・新年効果(Turn-of-the-Year Effect):
12月の終わりから1月の初めにかけて株価が上昇する傾向があります。これは年末の利益確定売りや税金対策による売りの反動とされています。
・祝日効果(Holiday Effect):
祝日の前営業日に株価が上昇しやすいという現象です。投資家が祝日前にポジティブな感情を持つことが原因と考えられています。
・IPO効果(Initial Public Offering Effect):
新規公開株(IPO)は初日の取引で高騰する傾向がありますが、その後のパフォーマンスは必ずしも良好ではないことが多いです。
・アノーマリー・ローテーション(Anomaly Rotation):
あるアノマリーが一定期間続いた後に別のアノマリーに切り替わることがあるという現象です。例えば、モメンタム効果がしばらく続いた後に反転効果が現れることがあります。
・消費者信頼感効果(Consumer Confidence Effect):
消費者信頼感指数の発表後に株価が変動する傾向があります。高い信頼感指数は市場にプラスの影響を与え、低い指数はマイナスの影響を与えることがあります。
・バリュー効果(Value Effect):
割安な株(低P/Bや低P/E)は割高な株に比べて長期的に高いリターンを示す傾向があります。
これらのアノマリーは、理論的には市場の効率性に反するものですが、実際の投資行動に影響を与える要因となることが多いです。ただし、アノマリーを利用した投資戦略が必ずしも成功するわけではないため、リスク管理をしっかり行うことが重要です。